ライフコラム

失敗から学ぶ 共に生きる-共に遊ぶ その1

ishizawa_column-344x232若者やハンディのある人に遊びや娯楽、趣味等を教えたり一緒に体験する事は必要なこと。でも、注意すべき事もある。
以下は、いくつかの事例を基に創作したものであり実際の人物とは関係ない。

Aさんは家族関係の問題があって家出、野宿をしながら札幌にたどり着き、役所の紹介でライフにたどり着いた。軽度の知的障害と統合失調症をかかえていた。
早速、住む場所を決め、生活保護等の手続きを一緒に進め暫くは落ち着いた生活をしていた。そのうち給料日や保護費等が入ると休みが徐々に増えていくようになった。

そんな生活を繰り返している時、派出所から電話が入った。「○○パチンコ店でAさんが他の客の玉を盗んだ」というのだ。事実確認のため私とスタッフのB君で派出所に行く。
すでに、Aさんは事実を認めており、1回目は厳重注意で終わった。

「なんでパチンコ屋に行った?」と聞いたら、「スタッフのSが前に連れて行ってくれた。その時少し勝ってお金が手に入ったから」という。
ちょっとの遊びが段々はまり、他人の玉を盗むまでそう時間はかからなかった。その後もパチンコ玉盗みを何度か繰り返し、Aさんは窃盗罪で逮捕となった。

スタッフのSは、「一緒に遊んでやろう」という軽い気持ちだったのだが、そこが今回の引き金になった。ギャンブルは自制の効かない人にとっては強敵である。
ゲームとギャンブルも紙一重。遊びの範囲を逸脱してしまうことは誰もが経験しているはず。だから同僚である我々は、充分に配慮した遊びや楽しみを共有し合うことも必要だ。
「ギャンブルにはまるのは個人の責任」では済まないのだ。(ライフ専務理事 石澤利巳)


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