ライフコラム
失敗から学ぶ 共に生きる-共に遊ぶ その2
Cさんは、30歳まで家族と生活していた。家族はいろいろアクティブな面でのサポートをよくしていた。
でも、買物経験は残念ながら不足していた。不足というのは、直接Aさんが「お金を払って物を買う」という体験の不足であった。欲しい物はCさんが選び、支払いは家族が行っていたのである。
共同生活の場で一人暮らしを始めたCさんは一人で出かけることを楽しんでいた。ある日Aさんの家族から電話が入った。Cさんがスーパーで「万引き」したという理由で呼び出されたというのだ。何のことはない、Cさんは「商品はお金を払って買う」という経験がなかったため、自分の欲しい物を持ったまま店を出たのである。
以来、家族と支援する側で買い物体験を行って、「お金を払って買う」という生活を学んで、今は落ち着いた共同生活を行っている。
Dさんも金銭管理が苦手である。自分で物を購入したり、電話代を支払ったりすることは出来る。しかし、購入は出来るのだが、物欲の限度がない。
欲しい物はどんどん買ってしまうが、欲しくもない物も他人が持っていれば欲しくなる。そんなタイプのDさんは、いつしかクレジットカードを持った。
これも同じ職場の人が使っていたからという理由であった。使い方が分からなかったので、カード使用前に破棄する事を本人と確認した。
それでも、物欲の誘惑はまだまだ続いている。(ライフ専務理事 石澤利巳)